新幹線を輸出できるか

私にだって欲しいものはたくさんある。
ベンツのAMGポルシェ911は一度乗ってみたい。
ただし、1千万以上の価格の上、維持費もかかる。
そして、何より我が家のような郊外の田舎の道路事情と合わなすぎる。
エンジンパワーをフルに出せないことには目をつぶったとしても
いろいろな意味でオーバークオリティなのである。
日本の新幹線は鉄道でのポルシェ911なのである。
高級車の中でも一番高い部類なのだ。
ケイマンぐらいならなんとか手が届きそうだが、911カレラとなるとなんとも。
高速鉄道の歴史があるTGVにしても、在来線の軌道を流用している。
もちろん、かなり手を入れているのだけど。
日本の新幹線は全て専用軌道、専用システム使用なのだ。
無事故の一因となっているのも専用軌道だからだ。
それは、速さよりも安全を高い次元で担保しようとしている。
ポイントはそこで、新幹線システムはピンポイントで、それ以上も以下もない。
全て新設しなければ許してくれない。
だから、建設費も運用コストも猛烈に高価なのである。
ポルシェと同じで、そのものをその値段で欲しい人限定。
結局、競争入札になれば負ける。
テレビでインドの鉄道事情をやっていたけど、新幹線以前に必要な投資があるだろう。
もうひとつ
逆に日本の新幹線は専用軌道でありながらも、最高速が出せる区間は案外少ない。
300キロとか320キロと言っているが昭和50年代あたりの建設の区間。
その後に無理やり開通した新線は260キロがせいぜいだそうだ。
東洋経済オンラインでは「整備新幹線が時速260kmしか出せない事情」
なんていう記事もある。
記事を読む限り、思うに設計260あたりがコストの限界のようだ。
そもそも、300キロ区間以外は赤字、もしくは赤字すれすれなんだから。
日本でさえ、そんなコストの問題があるのに、
もともと鉄道事情が悪い海外で売れるわけがない。
安くして昭和40年代、210キロの運転で十分だろうね。
それでも入札で中国には勝てないだろうけど。