増える高学歴プア、博士号を取っても…

修士課程修了したあとさらに頑張って博士論文となるのである。
最短でも25歳ぐらいにはなっているか。
それでも、この手のスペシャリストにはそれなりの需要があるようにも思われた。
ところが、そうでもないらしい。
一つは、人数の激増。
20年で2.6倍と書かれていた。
経済の原則からすれば単価が下がるということだ。
さらに問題なのがスペシャリストすぎてつぶしがきかない。
自分の専門外の部署に転勤すれば高卒レベルということもありうる。
そして、ノーベル賞受賞者がインタビューで言っていたことだが
「人として」というところ。
性格的に偏っていたり簡単なコミュニケーションが取れないとなると
研究者以前に社会人としてどうなのよ、となってしまう。
当然優れた後輩や教え子を指導できない。
情報や人脈のネットワークも寸断されて身動きが取れなくなる。
受験、研究、論文だけではダメだということなんだろうね。
さらに、ロシア文学の博士やエジプト考古学の博士はいくらスペシャリストと言っても
会社では使いにくいだろうねえ。
もう一つ
それよりも深刻なのが世の中の理系軽視である。
「時代の流れは理系では?」と言われそうだが
そんなニュースが出ること自体、理系軽視なんだよね。
例えば、大きな会社で画期的な技術が開発されたとしよう。
ところが、画期的なのは専門家にしかわからない。
その商品がドーンと売れたとする。
結局、会社におカネを持ってきたのは営業部門ということになる。
どんなに画期的でも売れなければダメということだ。
それを何個余計に売った人のほうが功績は大きい。