初代フェアレディZが出た頃は日本車がまだまだの時代だった。
日産はハコスカ、ケンメリスカイラインが世界標準に追いついたか。
スカイラインがファミリーカーベースだったのに対してZはビュアスポーツ。
2ドアクーペボディのみだった。
ロングノーズには直6のL20。
スカイラインクーペと似たようなものかと思っていたが大間違い。
大きな違いはリアサスペンション。
スカイラインがセミトレに対してZはストラット。
スカイラインがGTとなっているが峠を走らせて走りやすいのはスカイライン。
セミトレの方が追従性がいい。
グリップの限界をつかみやすい。
Zのストラットは限界が高いのだけど、つかみにくい。
実際にリアが流れだすと当時の私の腕ではコントロールが難しかった。
ノーマルL20の120馬力程度のパワーではドリフトも難しい。
スカイラインの攻めるコーナリングに対してZはグリップ走行に徹することだった。
私が乗っていたのは後期のEGI仕様。
NAPSは評判が悪かったが、EGIは低速トルクも出ていて運転しやすかった。
L20はフケも良くて良いエンジンだったが、ライバルのトヨタは
18RGというツインカムエンジンがあってさらにフケが良かった。
パワステは当時はまだ少数派、それほど気にならないはずだったが
純正の70タイヤでの話。
当時出始めの60タイヤを履かせるとグリップの代償としてハンドルが異常に重くなった。
さらに小径のスポーツステアリングをつけたため、運転がそのままウェイトトレーニング。
腕っぷしが強くなった。
とりとめのない話で申し訳無い。
何よりZだったのは着座位置がリアタイヤに近いということ。
ロングノーズを運転席で感じることができる。
リアタイヤに近い運転席の独特の感触は他ではなかなか味わえない。
スポーティーではなくスポーツならではなのである。
今の愛車は86だが、その感覚を味わうことができる。