魚大量死、教諭2人を書類送検

教員の不祥事はマスコミの大好物である。
まあ、それを支持する大衆がいるからなんだろうけど。
『偉そうにしている(していた)のに』というひがみ根性が根付いているようだ。
さて、今回の事件は毒物を川に流したというもの。
それはそれは凶悪な教員がいたのかと思いきや
塩素濃度の高いままプールの水を抜いてしまった、という過失だった。
そんな凶悪な教員などいないということだな。
さて、ポイントを整理してみた。
1.殺菌の塩素剤
プールといえばあのカルキ臭、塩素剤を思い浮かべる。
理科室ではさらし粉、次亜塩素酸ナトリウムを使う。
水溶液はそれほど高濃度でなければ人体の影響は少ない。
が、金魚などを飼っている人はわかるが、水道水をそのまま使えない。
魚にとっては低濃度でも猛毒なんだな。
2.塩素剤の種類
私は、てっきり次亜塩素酸ナトリウムと思っていたがそんなものは昭和の話。
ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムというのを使うらしい。
塩素が穏やかに水溶して持続時間が長いという特徴がある。
私がプールでバイトをしている時、真夏の日差しで塩素はすぐに飛んでしまう
と、説明されたことがあったのだけど。
3.犯行の経緯
ニュースによると、残った塩素剤をプールに投棄したとある。
昭和の考え方では塩素はどんどん空気中に飛んでいって自然に消滅。
ところが、今はジクロロイソシアヌル酸ナトリウムなので、穏やかに効果が持続するので
大量の塩素剤を無効にするには時間が短すぎたということだな。
4.処分する理由
余ったら体育倉庫に保管しておいて来年使えばいいのに、と思ってしまう。
一つはお役所特有の感覚の予算を使いきる。
余らせては次年度の予算が削られる。
そもそもプールなんてその年の天候などに左右されるもので
余ったからとつつかれるものでもないと思うが。
もう一つは賞味期限
ネットで調べると1年で使い切ってください、とある。
固体状態でも多少なりとも塩素が分解遊離してしまい、効能に変化があるからか。
それでも、さらし粉でもジクロロイソシアヌル酸ナトリウムでも比較的安定した物質。
高温多湿を避ければ翌年でも高い確率で使えそうな気もするが。
メーカーはもちろん推奨はしないだろうけどね。