探偵はBARにいる

今頃になって『探偵はBARにいる』の一作目を見た。
大泉の楽しい映画だと思っていたがPG指定になっていてちょっと違和感。
話はテンポよく進みこじんまりしているがアクションシーンも多く
現代版「探偵物語」「傷だらけの天使」という作り。
大泉の明るさと言うより、作ったような不気味な明るさという設定だな。
役者としての彼の持ち味、実力が試されている。
さて、肝心のストーリーなんだけど、それなりに2時間楽しめるのは
多くの役者の実力かと思う。
推理モノとしては、ちょっと伏線の張り方がお粗末か。
これは、脚本というよりも原作がこの程度だったからと言うべきか。
特に、謎の電話依頼の内容と事件の全容がどうつながっているのかわかりにくい。
小説のほうなら違った印象になったかもしれない。
さて、ここからは良い所。
まずカメラワークがかなり良い。
無駄なカット割りがなくストレートな映像。
後半になると血の量も増えてくるが、ラストの小雪のシーンは
カット割りなし、長回しできっちり撮影していたのはすごい。
さらにカメラワークを良くしたのがロケ地の冬の札幌。
ダークナイト」「ブラックレイン」「ブレードランナー」に匹敵する世界観といえば言い過ぎか。
そのくらい冬の札幌は独特であった。
もう一つは、音声。
意外にも音楽シーンの音がかなり良い。
ラストのカルメンマキもちょっとグッと来た。
いろいろな要素をてんこ盛りの日本映画。
☆☆☆☆★