EWFブギーワンダーランド

歳をとると若かりし頃の思いをプレイバックしたくなる。
自分の若いころを考えると決して誇れるような懐かしむような思い出はほとんどない。
何をやっても長続きせず挫折する。
自分の脳力や才能のなさにコンプレックスがあった。
さらに性格的にも友人と仲良くということもほとんどなく孤独な日々だった。
もちろん彼女など夢のまた夢。
それでも我が家は貧乏ゆえ高校時代からアルバイトに明け暮れる。
真面目に働けば多少の評価をもらいそれなりの人間関係も出来てきた頃。
そんな70年代の終りごろEWFアースウィンドアンドファイヤは人気があった。
アルバイトでコツコツ貯めたお金で高価なオーディオ機器を購入して夢中で音楽を聞いていた頃。
稲垣潤一がメジャーになった頃のヒット曲に『ロングバージョン』というのがあった。
当時のアナログレコードはシングル盤はその直径から5分程度しか収録できない。
当時人気があったディスコ音楽はノンストップでノリノリでなければならない。
そこでシングルは4分程度であるが、LP盤で片面いっぱいの15分以上のロングバージョンが受けたのだ。
日本では杏里佐野元春などもあった気がする。
その中でも大ヒットしたのはこのブギーワンダーランド。
特に、当時のソニーは76cm/sのマスターデッキでの高音質にこだわっていた。
その高音質の代表格がアースウィンドアンドファイヤであった。
タイトな16ビートのリズム、ブラスセクションなど高音質を堪能できるソースであった。
レコードの帯にも76cm/sマスターとデカデカと書かれていてオーディオ好きをワクワクさせた。
CDで今聞いてもそれなりの音を聞かせてくれる。
そして、ふられてばかりのグダグダだった自分がうっすら思い出される。

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