東京直下型地震

東京で大地震が起きるなどというニュースがもうすぐ1年という時に流れた。
わざとらしいやり方である。
プレート型の場合震源域は線状になりどこで起きるかは予想しにくい。
なのにきっちり東京湾北部と、ものすごく地域限定である。
最大限の被害想定という観点からはいいのかもしれないが。
実際の相模トラフは伊豆半島から三浦半島を通って房総半島の真ん中辺を貫く。
ただし、このラインはトラフの裂け目で、断層は北側に沈み込んでいるから
トラフより北側で起きるというのが根拠なんだろうか。
有史以来、災害が起きるぞ起きるぞといってその通り起きたことはまずない。
それでも台風は予報の精度が上がったけど。
さて、大地震の予想が出たとして私たちは何をどう備えろというのか。
結局、災害は天が与えし試練なので、甘んじて受け入れるしかない。
3.11における大津波の被害は大変なものだった。
防ぐ手立てはない。
海岸線に住んではいけないということしか浮かばない。
海の近くは風が強いけど温暖で気候の変化がおだやかで住みやすい。
その代わり高潮や津波の恐怖があるのである。
特に、東北地方は数十年に一度の比較的短い周期で津波に襲われるわけで
それでもそこに住み続けたのだから被害を防ぐことはできない。
じゃあ、どこに住めばいいのかとなれば水掛け論。答えなどない。
災害を甘んじて受け入れるしかないのである。
3.11の教訓を生かして東京直下型地震の対策を机上の空論で進めているそうだが無理だな。
3.11では東京は停電しなかった。
ライフラインがあるかないかは大変な違いだ。
シミュレーションすればわかる。
もし、あの日全域で停電していたらどうなったか。
考えただけでゾッとする。震災前の東電の連中みたいなものだ。
原発津波をかぶって冷却できなくなるなんて考えたくもなかったことだろう。
災害はいつも考えていない、準備していないところを襲うのである。

首都直下地震“震度7” (PHP文庫)

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