科学的節電

この寒さで電力消費が増えているそうだ。
節電が叫ばれている。
そこで色々な電化製品のダイヤルを『弱』に設定する。
そこで簡単な実験をしてみよう。
10Wのモーターを家庭用100Vにつないで回す。
W(ワット)というのは仕事率の単位でP=IEで計算する。
すなわち10Wとは10=I*100 I=0.1
100Vにつなぐと0.1A流れるということだ。
オームの法則E=IR に代入すると1000Ωということになる。
今度は節電のために電流の量を半分にする。
オームの法則により抵抗を2倍にすれば電流は半分になるはずだ。
そこで10Wのモーターと直列に1000Ωの抵抗を接続する。
抵抗値は合計2000Ω。100Vでは0.05Aになる。
オームの法則
半分の電流なのだから消費電力は全体としては半分なのだが
モーターの仕事率を計算すると
50*0.05=2.5Wである。
つまり、電気は確かに半分に節約したが実際のモーターの働きは4分の1になった。
節約したつもりが2.5W分損をしている。
これは、間に挟んだ1000Ωの抵抗が電気を消費しているため。
たいていの場合、熱になって逃げてしまうのである。
電気製品が熱くなるのは、大なり小なり熱の損失なのである。
つまり弱というのは、確かに電気を節約はしているが有効利用はしていない。
だから電気ストーブの場合、400Wと800Wの切り替えは、別々の回路が赤くなる。
エアコンの場合、サーモスタットでオンオフをコントロールするのだが
暖房の場合だと熱い風が出る時とそうでない時の温度の変化が不快に感じる。
そこでインバータ制御といって、本来は100Wの機械なのに
20Wとか50Wというように変化させることができるのでちょうどよい風がでてくる。
さらに抵抗を介さないので効率も良くなるため省エネになるわけだ。