47万円アルトと長嶋

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72年に始まったオイルショックで日本の高度成長期が終わった。
そして、それまでの高度成長の影になっていた歪が一気に露呈する。
これはバブル期にもう一度経験する。
話戻って、歪の一つが公害、大気汚染である。
工業の方は水俣病足尾などの対策により収束に向かっていたが
モータリゼーションに伴う窒素酸化物の増加は末期的であった。
それは、先進国では共通な悩みだったようで、アメリカでも深刻だった。
そこでマスキー議員が提案した排ガス規制法、マスキー法が世の中にでた。
それはすぐに日本にも波及して、多くのスポーツ車の廃止に貢献してしまう。
ガソリンの高価格、排ガス規制法で日本のクルマは行き場を失ったかのよう。
そんな中、画期的なクルマがこの年、79年に発売する。
スズキ、アルト、47万円である。
一台のクルマとしては異常に安い。
軽自動車、さらに貨物扱い、などなど法律の隙間をついたニッチ商品。
それまで、どれだけパワーがあってどれだけ装備が良いかを競っていた市場に一石。
リアシートに10分も座っていれば腰が痛くなる、なんてどうでもいいのである。
当時の私の職場の駐車場にも赤いアルトが3台並ぶこともあった。
軽自動車のあるべき姿を提言した、隠れた名作である。
となりに長嶋が映っている。
90番の最後の頃、調べてみたらこの翌年、監督解任とある。
ある意味一番はじけていた頃なのかな。