孤高のメス、映画評

原作を半分くらい読んだのだが途中で飽きてしまった。
筆力のある作家なのだろうが、ものすごく遠回りな描写をするので疲れる。
また、主人公は素晴らしい医者なのだがそれをヒーローとして祭りあげて
その周りの大学関連の人たちを悪者としている。
本来はそういう方が読みやすいはずなのだが、ドロドロの描写ばかりで
話が一向に進まないというのが疲れる。(ある意味それがリアルなのだろうが)
というわけで、どのように映像化するのか興味はあった。
原作をそのままでは5時間の大作になってしまう。
やはり、だいぶカットされていたので逆に見やすくなったし主人公に移入しやすくなった。
厳密には主人公は夏川ナースだったとも言えるがそれがまたよかった。
悪者医師の説明も最小限、大学との癒着も冒頭のセリフのみ。
それも映画開始から2時間以内に断罪されてしまうからすっきりしている。
原作では6巻を読まなければならない。
80年代という設定のため映像もやや色合いが浅い。
クライマックスの移植シーンもマスコミや警察のツッコミが少ないどころか
医師会などとのいざこざもカットとお粗末な感じ。
これも、ナースの回顧録ということで納めてしまっている。
娯楽としてはこれでいいのだけど、一つ一つの社会的なテーマが浅い所がバツ。
星3つ。