住宅は大工さんがつくるというのが定説だが厳密に言うと多くの業者が分業している。
設計士や現場監督は見ているだけで直接全ての作業をするわけではない。
図面ができると土地の測量と地盤調査がある。(時系列は前後するかも)
そしてその図面通りに地面を掘って基礎工事が始まる。
学問でも仕事でも基礎は大事である。
どんなに立派な家でも基礎が悪けりゃ傾く。壊れる。
当然地震にも弱くなるわけで。
この基礎工事は大工さんがやるのではない。
左官屋さんの仕事である。たいていは基礎工事専門の業者のようだ。
というわけで、現場監督が立ちあって行うような会社はいいのだが、
住宅業者、工務店によっては基礎工事を丸投げしていることも多い。
もうひとつの問題はこの基礎工事のデキが悪くてもやり直しなどとはならない。
工期やコストの問題があるからなのか。もしくは身内の業者だからか。
最近私が見た例としてこの基礎工事の悪いものがあった。
まず気になったのが表面がきれいでないのである。
大手メーカーの人に聞くと基礎工事の枠にまだ木材を使っているのではないか、とのこと。
今時、鉄製の枠を使うそうである。仕上がりが違うとのこと。
その次に、コンクリートが均質に見えないこと。
これはコンクリートの攪拌が足りないのではないか、とのこと。
当然、均質ではないのでクラックが入りやすくなる。
さらに基礎の横に水平に線が付いている場合がある。
これはコンクリートを一度に用意できずに日を変えて流し込んだ事が考えられる。
めったにないことだが、その面ではがれるかもしれない。
もしそうなれば倒壊である。
残念なことにこれは工事中には確認できるが外からモルタルで綺麗に塗りこんでしまうので
完成後にはわからなくなってしまうのである。
どんなに有名なメーカーでも下請けが悪ければダメなのである。
今回大きな地震があった。
自宅のまわりを歩いて基礎に問題がないか確認すべし。
とは言ってもダメならあきらめるしかない。