サブウェイ123

今年にBD、DVD化した新作のサブウェイ123を観た。
地下鉄を舞台にしたテロという話。
デンゼルもジョンもよい演技をしている。
実はジョンだとわからないで最後まで見ていた。
随分変わったなあ、というか映画のために変えたのか。
どうしても70年代の出世作のイメージが支配してしまう。
ストーリーは驚くほどシンプルで大どんでん返しもない。
デンゼルの賄賂話やジョンの証券マン話は回想シーンも全くない。
おかげで現場にいるような緊迫感が持続しているのは良い。
次にテロのアクション映画なのだが実際に死ぬ人は意外に少ない。
銃の乱射や銃撃戦も無かった。
このへんもリアリティを追求している。
そして何よりも好印象だったのがCGが皆無だったこと。
地下鉄の暴走シーンぐらいでは。
あとはNYの街中のカーアクションも全て実写だと見て取れた。
監督のトニースコットは86年のトップガンの撮影でもそのほとんどを実写で撮影している。
こういう監督が私は好きだ。
SFや時代劇ならCGも仕方がないが、この手の現代劇ではリアル映像が望ましい。
さらに、最新のアクション映画だけあって音声も大変良かった。
地下鉄線内の独特な残響や電車の走行音がうまく表現出来ている。
と、ここまで褒めちぎってきたのだが…。
全体的には5点満点で3点だな。
どうもストーリーの細部がチグハグで「なんでそうなるの」というシーンが多い。
特に後半、現金の輸送、デンゼルと犯人との関わりなどがしっくり来ない。
映像としての見栄えやその後の展開を優先しすぎたためか。