札幌老人ホーム7人焼死火災

現代の楢山節考である。
以前に群馬県の施設で似たような火災事故があった。
マスコミはこぞってけしからんと書き立てた。
今回も似たような事件になった。
当然、けしからんという論調である。
人の命が失われたのだから仕方がないことだ。
しかしながら死んでいった老人やその家族の事情やいきさつを
追跡したような報道はない。
あくまでも施設が悪いに徹している。
もしも、老人の家族の事情や施設に入るいきさつを追跡すると
なんとも悲しい人間模様が露呈することに間違いない。
楢山節考のように経済的に家で面倒をみきれなくなった家族が
考えた末の入所だったかもしれない。
厄介払いで一番安い施設に入れたのかもしれない。
親族がいない孤独な老人が自身の意思で入ったかもしれない。
この施設を糾弾する前にこんな施設に入ることになった老人の
人間模様の方に関心がある。
手っ取り早く悪者を仕立て上げる前に、もっと大きな深い問題を
みんな見て見ぬふりをしているのではないか。