感染列島、妻夫木聡

今ごろ妻夫木聡君の感染列島を観た。
結論からいうと、ハズレである。
TBSのロゴが冒頭に出た時からなんとなく想像していた。
TBSがからんでろくなことがない。
ツッコミどころを整理してみた。
1.前半の盛り上がり
冒頭シーンで東南アジア新型インフルエンザの現場が。
普通に想像すればここから日本にどのように侵入していくか…となるところだが。
次のシーンで最初の発症者。
そして感染が広がるというお約束の展開。
豪華なチョイ役、佐藤浩市が感染、死亡と一気に緊迫感。
ただしここまでの30分で実は謎解きも伏線もないことに後で気づく。
2.妻夫木君と檀れいの絡むシーン前後は早送り。
制作側は重きを置いているようだが。
なぜか必ず雨が降ってわざと濡れるのである。
昭和のドラマのTBS色、全開である。
3.後半、ようやく謎解きが始まる
鳥からのインフルエンザでないことがわかる。
この辺がやや強引、だがまあよしとしよう。
次に一番最初の患者の女の親が東南アジアから持ち込んだことがいきなり判明する。
なんの伏線もなくいきなり解明、そのまま妻夫木君が現地へという展開はひどい。
なぜ現場医師の妻夫木君なのか、全く必然性がない。
現地の様子もわざとらしい。
4.ラストに近づくとバタバタ
ようやく感染経路がわかったところで主要人物がバタバタ倒れ始める。
このへんも必然性や感染の説明もシーンもなくただ死ぬのである。
5.なぜかあっさり見つかる
あれだけ世界を震撼させた謎のウィルスをなぜか竹山があっさり見つける。
ありえないだろ。
検体を竹山にそっと渡すとき「犯罪…」というが何十万人もバタバタ死んでいるのだから
検体などいくらでも手に入るだろうに。
6.ハッピーエンド
ここまで2時間20分引っ張っておいてハッピーエンドで終わらせている。
あれだけ荒廃した銀座の街などを再現したにも関わらずである。
前後の経緯なく妻夫木君は北海道の田舎ではたらく。
最後に田舎で…というのもヒーローもののラストの定番。ベタベタである。
−−−−−
この手の映画ではダスティン・ホフマンアウトブレイクが出色の出来である。
これも中心の医師同士の色恋沙汰を絡めているのは似ている。
が、感染経路やそれを追跡する手順などに破綻がない。
最後までドキドキしながら見られる。
日本映画の質の低さ(特に脚本)にはウンザリだ。
TBSに作らせちゃだめだよ。
お笑いの田中や竹山もいらないよなあ。