山岳遭難は最近に始まったことではない。

山と人がいる限り必ず起きるのだ。
いつの頃からか登山がレジャーとなった。
必然性のない人々が山に入るわけで事故のリスクは高まる。
そしてこの十年、昭和30〜40年代の戦後復興から高度成長の時に
青春時代を過ごした人はレジャーとしての登山の初期の経験者。
私が幼少のころ乗った記憶がある、165系の急行「アルプス」や「妙高
の最終や夜行などにいかにも登山という格好と荷物を持った人がたくさん乗っていた。
時は過ぎてこの人たちが再び山に入っているというわけだ。
私は根性も体力もないので登山はしたいとも思わないが
山が好きで健脚、健康自慢の初老の人にとってはよいらしい。
当然、遭難リスクはおのずと高くなるわけで。
警察では過失致死の容疑で調べる、と書いてあったが
大雪山の神様に事情聴取するつもりだろうか。
山での過失をいちいち罪にしていたら登山者の大半は犯罪者だ。
天候の変化や落石、足を踏み外すなど、山では当然のこと。
山が好きで山で死ねたのならそれはそれである。
無理な行程などと後になってグダグダ言わない方がよい。
死んだ方の冥福を祈るのみでよいのではないか。
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