百恵の赤いターセル、トヨタターセル79年式

今日の関東地方は昼過ぎから強い雨が降り続いている。
今月からはじめた部屋の整理をするしかない。
またまた、懐かしい雑誌やカタログを発見。
トヨタターセル、コルサ。
百恵の赤い靴、のキャッチで一機に有名になった名作…迷作である。
当時コンパクトカーが次々にFF化されたFF黎明期。
ところが、トルクステア、ステアリングの重さ、ミッションのフィーリングの悪さ、
アンダーステアや唐突なタックインなど、ほとんどの面でFRに及ばない。
トヨタはFFの開発には積極的ではなかった。が、
その過渡期に登場したのがトヨタ初のFF、ターセルコルサであった。
エンジンを縦置きとしミッションの位置関係などFRに準じた。
ホイールベースを長くするなどFFとFRのいいとこ取り。のハズだった。
確かに他のFFと比べてみるとよくなっている気もするが
1年2年の技術の進歩でFFの進化に吸収されてしまうほどの違いでしかなかった。
エンジンも新開発のA型、後の1.3〜1.6Lの標準となるエンジン。
トヨタにとってはものすごく意欲的な先進的な設計のクルマだったわけだ。
ところが、この地味な技術の積み重ねは、この手のコンパクトを欲するユーザーには
それほど理解されず、新開発のバルブ数の多いエンジンもグロスで80馬力しかなく
結局、先進技術の塊も「百恵の赤い靴」で片付けられてしまった。
その上、FMCごとに長すぎるホイールベースはつめられて
3代目ではスターレットと共用シャーシ、エンジンは横置きと
どんなクルマだか説明できない没個性のクルマとなって90年代終わりに消えていった。
最終型は100万円を大きく下回る金額で売られていた記憶がある。